【2】ミキシングでは何をするのか?

この記事について。。。
 DTMDAWで、オーディオトラックを揃えたのは良いけど、それから先どうしたら良いか分からない。CDみたいにならない。音量が小さい。等々…そういう人向けにミキシング(ミックス、トラックダウン)のやり方を私なりにお伝えしようと思ってます。
 「ミキシング」と一言で言ってみてもやりかたは人それぞれ…全く正反対のやり方でもどちらが正しいとかは無いので、それを踏まえた上で柔軟に色々試してみて下さい。ここで書くことが全てでは無いです。ただ、知識ゼロからやるよりは良いと思いますので、良かったらどーぞ。
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 【1】ミキシングとは?何が必要?

ミキシングとは?(追記)

 前回の記事で書いてなかった部分に触れたいと思います。前回は料理に例えて概念を説明しましたけれども、今回はもう少し具体的に。それぞれ空間的な意味も簡単に書きますので、それでイメージしてみて下さい。


 1、音量バランスを取る。
 そのままで、歌、リズム隊、上モノ、等々それぞれの音量バランスを取ります。1番簡単に思えて1番難しいかもしれません。特にボーカルの音量はとても大切で、かなりの微調整が必要になります。こだわり始めると、オートメーション(後述)も含めて何時間もかかります。
 空間的な意味で言うと「前後(奥行き)」ですね。


 2、PANを振る。
 これは定位の調整です。それぞれの音を左右のスピーカーからどういうバランスで出力するかを決めます。ミキシングでかなり楽しい作業になるんではないでしょうか?小さくまとまり過ぎても面白みが無いし、バランスが損なわれてもダメ。ま、アレンジに大きく左右される部分でもありますけど。
 空間的な意味で言うと「左右」です。


 3、エフェクトをかける。
 EQやコンプ、リバーブといったエフェクトをかけます。ここはある程度の知識がないとかなり取っ付きにくい部分かもしれません。これの使い方次第で、音楽が全く違うものになります。
 空間的な意味で言うとEQが「上下」コンプや空間系(リバーブやディレイ)が「前後(奥行き)」となるでしょうか。


 4、オートメーション
 基本的に上述した1、2、3、は、それぞれひとつのトラックに一曲を通して設定が適用されることになります。しかし、サビ前を盛り上げたいとか、PANを左から右に流したいとか、ボーカルの音量を一定にしたいとか、エフェクトを部分的に外したい等々、当然そういったことをしたくなるのです。で、それをするのがオートメーションですね。かなり時間がかかる部分なのですが、ここが丁寧に作り込まれていると出来上がりが全然違ってきます。そもそも、これが無いと成立しない曲もありますし。
 空間的な意味で言うと「動き」となると思います。動きを持たせるためだったり、逆に動かなくするためだったり、ってことで。


 と、大きくわけると、この4つくらいでしょうか。
 これらの作業を「聴き易い」「音圧がある」「飽きない」とかいう色々な目的にそってやっていくわけです。

私の具体的なミキシングの手順

 何はともあれ、実際にどうしてるのか?ということで、私自身の作業手順を説明しようと思います。あくまで”私個人の”ですので、参考までに。


 1、音量とPANを適当に調整
 まずは適当に…下書きみたいなもんです。


 2、ボーカル
 何はともあれ主役の音を先にある程度決めてしまします。EQで音質を整えて、コンプで抑揚を整えます。(これ以降はボーカルを小さめの音で常に流しながら作業をします。主役ですからね。深い意味の説明はまた今度しますけど。)


 3、バスドラとベース
 土台となる部分ですね。私は、同じ低い音でも帯域的に2つの音の持ち分を分けることが多いです。


 4、ドラム
 ここでドラムの音量バランスとPANを詰めます。2、3、と共に手は抜けない部分です。


 5、リード
 ギターやピアノなど、メインでコードを鳴らす音をここで作りこみます。


 6、上モノ
 リードじゃない楽器ですね。


 7、空間系エフェクト
 2〜6までの作業では空間系は使いません。ここで初めてリバーブなんかの設定をします。


 8、全体のバランスを聴き調整
 ここまでくれば、おおまかには完成です。


 9、オートメーション
 曲全体の流れに沿って、細かいところまで設定していきます。ここで、最終的なPANや音量が決まります。


 10、マスターエフェクト
 曲全体にEQやマルチバンドコンプ、リミッターなどをかけて、最終調整をします。必要に応じて1〜9の作業をやり直します。(マスタリングとの区別が難しい部分でもありますね)


 大まかに、こんな流れで私はミキシング作業をしています。
 当然、作業は前後したり、曲によっては特別な作業が発生することもありますが、基本的にはこんな感じです。

まとめ

 ここで説明したような作業を、目的を見失わず、アーティストの要望も折り込みつつやっていくわけですね。
 今後は…どうやっていくか決めていませんが、前回と今回書いたことをもとにかなり細かい部分も説明していこうと思います。必要に応じて脱線もする予定です。
 それよりも、Blogのタイトルが「日記」のままで良いのかどうか…悩んでます(笑)