【2】ミキシングでは何をするのか?

この記事について。。。
 DTMDAWで、オーディオトラックを揃えたのは良いけど、それから先どうしたら良いか分からない。CDみたいにならない。音量が小さい。等々…そういう人向けにミキシング(ミックス、トラックダウン)のやり方を私なりにお伝えしようと思ってます。
 「ミキシング」と一言で言ってみてもやりかたは人それぞれ…全く正反対のやり方でもどちらが正しいとかは無いので、それを踏まえた上で柔軟に色々試してみて下さい。ここで書くことが全てでは無いです。ただ、知識ゼロからやるよりは良いと思いますので、良かったらどーぞ。
 前記事
 【1】ミキシングとは?何が必要?

ミキシングとは?(追記)

 前回の記事で書いてなかった部分に触れたいと思います。前回は料理に例えて概念を説明しましたけれども、今回はもう少し具体的に。それぞれ空間的な意味も簡単に書きますので、それでイメージしてみて下さい。


 1、音量バランスを取る。
 そのままで、歌、リズム隊、上モノ、等々それぞれの音量バランスを取ります。1番簡単に思えて1番難しいかもしれません。特にボーカルの音量はとても大切で、かなりの微調整が必要になります。こだわり始めると、オートメーション(後述)も含めて何時間もかかります。
 空間的な意味で言うと「前後(奥行き)」ですね。


 2、PANを振る。
 これは定位の調整です。それぞれの音を左右のスピーカーからどういうバランスで出力するかを決めます。ミキシングでかなり楽しい作業になるんではないでしょうか?小さくまとまり過ぎても面白みが無いし、バランスが損なわれてもダメ。ま、アレンジに大きく左右される部分でもありますけど。
 空間的な意味で言うと「左右」です。


 3、エフェクトをかける。
 EQやコンプ、リバーブといったエフェクトをかけます。ここはある程度の知識がないとかなり取っ付きにくい部分かもしれません。これの使い方次第で、音楽が全く違うものになります。
 空間的な意味で言うとEQが「上下」コンプや空間系(リバーブやディレイ)が「前後(奥行き)」となるでしょうか。


 4、オートメーション
 基本的に上述した1、2、3、は、それぞれひとつのトラックに一曲を通して設定が適用されることになります。しかし、サビ前を盛り上げたいとか、PANを左から右に流したいとか、ボーカルの音量を一定にしたいとか、エフェクトを部分的に外したい等々、当然そういったことをしたくなるのです。で、それをするのがオートメーションですね。かなり時間がかかる部分なのですが、ここが丁寧に作り込まれていると出来上がりが全然違ってきます。そもそも、これが無いと成立しない曲もありますし。
 空間的な意味で言うと「動き」となると思います。動きを持たせるためだったり、逆に動かなくするためだったり、ってことで。


 と、大きくわけると、この4つくらいでしょうか。
 これらの作業を「聴き易い」「音圧がある」「飽きない」とかいう色々な目的にそってやっていくわけです。

私の具体的なミキシングの手順

 何はともあれ、実際にどうしてるのか?ということで、私自身の作業手順を説明しようと思います。あくまで”私個人の”ですので、参考までに。


 1、音量とPANを適当に調整
 まずは適当に…下書きみたいなもんです。


 2、ボーカル
 何はともあれ主役の音を先にある程度決めてしまします。EQで音質を整えて、コンプで抑揚を整えます。(これ以降はボーカルを小さめの音で常に流しながら作業をします。主役ですからね。深い意味の説明はまた今度しますけど。)


 3、バスドラとベース
 土台となる部分ですね。私は、同じ低い音でも帯域的に2つの音の持ち分を分けることが多いです。


 4、ドラム
 ここでドラムの音量バランスとPANを詰めます。2、3、と共に手は抜けない部分です。


 5、リード
 ギターやピアノなど、メインでコードを鳴らす音をここで作りこみます。


 6、上モノ
 リードじゃない楽器ですね。


 7、空間系エフェクト
 2〜6までの作業では空間系は使いません。ここで初めてリバーブなんかの設定をします。


 8、全体のバランスを聴き調整
 ここまでくれば、おおまかには完成です。


 9、オートメーション
 曲全体の流れに沿って、細かいところまで設定していきます。ここで、最終的なPANや音量が決まります。


 10、マスターエフェクト
 曲全体にEQやマルチバンドコンプ、リミッターなどをかけて、最終調整をします。必要に応じて1〜9の作業をやり直します。(マスタリングとの区別が難しい部分でもありますね)


 大まかに、こんな流れで私はミキシング作業をしています。
 当然、作業は前後したり、曲によっては特別な作業が発生することもありますが、基本的にはこんな感じです。

まとめ

 ここで説明したような作業を、目的を見失わず、アーティストの要望も折り込みつつやっていくわけですね。
 今後は…どうやっていくか決めていませんが、前回と今回書いたことをもとにかなり細かい部分も説明していこうと思います。必要に応じて脱線もする予定です。
 それよりも、Blogのタイトルが「日記」のままで良いのかどうか…悩んでます(笑)

【1】ミキシングとは?何が必要?

 この記事について。。。
 DTMDAWで、オーディオトラックを揃えたのは良いけど、それから先どうしたら良いか分からない。CDみたいにならない。音量が小さい。等々…そういう人向けにミキシング(ミックス、トラックダウン)のやり方を私なりにお伝えしようと思ってます。
 「ミキシング」と一言で言ってみてもやりかたは人それぞれ…全く正反対のやり方でもどちらが正しいとかは無いので、それを踏まえた上で柔軟に色々試してみて下さい。ここで書くことが全てでは無いです。ただ、知識ゼロからやるよりは良いと思いますので、良かったらどーぞ。

はじまりますよ。。。


 …ということではじまりました。何番煎じかは分からないですけど、よかったらおつきあい下さい。
 ※ややこしいですけど、記事内では「ミキシング」という言葉を使おうと思います。私は普段「ミックス」って言ってますけど、Wikiではミキシングなので。


 あと、↑の画面ですが、私のMacでProToolsLEを立ち上げたところです。一応、読んでいただける方が同等のソフトを所有していて、音源やサンプル・マイク録りなどでオーディオトラックが揃っている前提で話を進めようと思います。
 それもあんまり分かってない、という方は…ググってみて下さい。ProToolsでなくても、DigitalParmer、Logic、Cubaseあたりのソフトであれば変わらないと思います。録音のことも書けたら書こうと思いますけど、それ自体はそこまで私も詳しくはないので…そこで引っかかってる方がいたら、コメントとかください。私なりにはお答えしますので。

ミキシングとは?

 前置きが長くなりましたが、まず「ミキシングとは?」ということを私なりに説明しようと思います。

ミキシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
ミキシング (Mixing) とは、多チャネルの音源をもとに、ミキシング・コンソールを用いて音声トラックのバランス、音色、定位(モノラルの場合を除く)などをつくりだす作業である。元のチャンネル数から少ないトラックに移行させるため、同義語としてトラック・ダウンとも呼ばれる。

 Wikiだとこんな感じ。
 音楽制作の過程があったとして、おおざっぱに…作曲・作詞・アレンジ→レコーディング・オーディオ変換→ミキシング・マスタリング→という感じになると思うんですが、そのうちのミキシングですね。


 で、私がミキシングの概念を説明する際に良く使うのが「料理に例える」というもの。
 歌や楽器というのは料理で言う素材、曲やアレンジは調理方法、そしてミキシングは実際に調理すること。そんな風に考えてみると良いかなと思います。どんなに良い素材や調理方法があっても、調理の仕方がまずいとダメですよね。それと同じことが音楽にも言えるわけです。
 例えば「音量が小さい」「ガンガンになっちゃう」「しょぼくなった」「聴いてて疲れる」とかいうミキシングは、料理で言う「火が通っていない」「野菜がうまく切れてない」「こげてる」ということと同義になるわけです。…てな感じで、今後も、説明する際に料理に例えることが多くなると思います。
 なので、ミキシングという作業はマルチトラックを用いた音楽においてはとても重要でやりがいのある作業なんです。まずは、その認識を持っておいてもらえると良いかもですね。

ミキシングに必要なもの

 この記事で言うミキシングには音の他に「マルチトラックレコーダー」「ミキシング・コンソール」「エフェクター」「モニタースピーカー」が必要になります。↑で書いたソフトにはモニタースピーカー以外は含まれています。もう知ってる人がほとんどだと思いますが、それぞれ簡単に説明しますと…


 「マルチトラックレコーダー」
 名前の通り、複数のトラックに別々に録音できるレコーダーですね。DTMが主流になる前は、カセットやHDに録音できるMTRを使ってました。私も高校のときにカセットMTRを手に入れて、57(マイク)をアコギのホールにぶち込んで(笑)録音したりしたものです。ちなみに、カセットMTRは今でもミキシングにアナログ感を出すエフェクターとして使う人がいるとかいないとか。。。
 あと、プロ用のはバカみたいでかくて良い値段がします。ADATっていうVHSのビデオテープを用いたやつはまだ安いですけど。


 「ミキシング・コンソール」
 これは、マルチトラックで録音した音をひとつずつ音量調整したり、PANを振ったりするもので、ミキシングの中心になる機材です。
 これこそプロが使ってるアナログのはアホみたいに良い値段がします。億行くやつもあります(笑)


 「エフェクター
 大きく分けて2つの種類があって、EQやコンプなどの音そのものを直接変える「ダイナミクス系」のものと、リバーブやディレイなどの元の音を変えない「空間系」のものがあります。他にも色々あるんですけど、DTM上ではプラグインとして使いますね。それぞれの説明はまた別の回でしようと思いますけど。


 「モニタースピーカー」
 音の出口です。正直、これが1番重要かもしれません。ミキシングという作業は普遍的にバランスの取れた音楽にする作業というのが基本なので(色んな人が色んな環境で聴いても良いようにするためです)、作業中にモニターする音は、普遍的な音である必要があるわけです。波形に忠実な音、とでも言いましょうか…だから、普通に出回ってる、音楽を聴くためにつくられたスピーカーはミキシングにはあまり向かないと言えます。良い値段しますけど、それ用のスピーカーがあると全然違ってくるでしょう。
 あと、どうしてもお金が足りなかったり、大きな音が出せない環境の人はモニターヘッドホンもあります。これもスピーカーと同じでそれ用のが良いと思います。私はSONYのMDR−900STを使ってますが、これは音楽聴くには全然ダメですけど、ミキシングする分にはすごく良いと思います。ただ、ヘッドホンで気をつけたいのは、それだけでミキシングを完結しない、ということ。なぜなら、ミキシングは空間で音がどう鳴るかも調整するため、スピーカーじゃないと分からない部分が結構あったりするからです。音の前後関係なんかは特にそれが言えます。
 まあ、そのスピーカーの特性を知ってて、それを踏まえてミキシングできればそれで良いわけでもあるんで、一概にこれが良い、とは言いにくいです。ただ、知識はあるはずなのに、どうしてもミキシングがうまく行かない人はここを変えてみるとうまくいったりします。

まとめ

 最初なので、本当にさわりの部分だけですけど。。。
 続けていけばだんだん説明も上手になってくると思いますんで、皆さんよろしくお願いします。要望があったら言って下さい、自分で分かることならなんでも書きますから。実際にデータをやりとりしてもいいですしね。
 

 あ、ここまで読んでいただいて恐縮ですが、私はプロじゃありません。そこんとこはお許し下さい。ただ、逆に読んでいただける方に近い立場で書けるので、他の専門サイトが分かりにくい人にはいいかな、と思ってます。


 まぁ、反応が全然無くても、頑張って続けてみようと思いますので、友人知人の方々には協力を仰ぐことがあるかもしれませんけど…よろしくおねがいします。

LISMOとiTunesそれぞれの印税収入を算出してみた。

 LISMOiTunesでそれぞれ発生する著作権使用料と、JASRACの手数料と、著作者の印税収入を私なりに調べてみた。

 打倒!”ソフトバンク”iPhone−−ドコモ、auの戦略-Toyokeizai Online

 auの音楽配信サービスであるLISMO対応端末は稼働数1854万台と、幅広いユーザーにお使いいただいている。アイフォーンだと楽曲のダウンロードは無線LAN経由だが、LISMOは3Gのネットワークを使う。場所を選ばずにダウンロードできるし、最新楽曲数で優位性がある。音楽業界はアップルが大好きだが、LISMOも応援してくれている。最近でもサザンオールスターズの歴代楽曲の「着うたフル」を展開しているが、ものすごい人気で、これまで触れたことがない人が来ている。LISMOの課金は1曲420円だが、iTunesでは99セント。音楽の価値が4分の1と評価されているわけだ。権利者の価値を大事にしたいという思いが強いところは、LISMOのビジネスモデルを高く評価してくれるはずだ。


この記事に対する反応 その1 その2

 まあ、色んなところでツッコまれてたけど、実際はどうなんだ?ってことが気になったし、自身の勉強のためにも、ってことで・・・JASRACのHP観たり、HPの内容をJASRAC電凸で確認したり、作曲家の友人に印税収入の明細を調べて貰ったりした。JASRACが絡むと発揮される私の行動力の理由は不明(笑)。
 では早速・・・。
 (注:あくまで私が個人的に調べたモノなんで、目安っつーことで。間違ってたら指摘していただけるとありがたいです。)
 追記:コメントいただきまして、著作権使用料に関しては「着うた」と「着うたフル」の違いが私自身良く分かっていなかったようで、以下で用いてる率含め比較そのものが少し違うのかも知れません。時間をみつけて調べてみようかと思ってますけど…。


一曲あたりの著作権使用料(以後、少数第三位以下は四捨五入しとく)

 なんか配信の条件によって色々と変わってくるらしいんだけど、今回は当然、有料&再生期間に制限が無いものとして計算。

 JASRAC ネットワーク課 HP内 「使用料規定早見表」より
通常のダウンロード(着メロ専用とかストリーミングとかでは無く)・情報料あり・再生期間の制限なし
→一曲一回につき、情報料の7.7%又は7.7円
(最低でも7.7円かかる、すなわち情報料が100円以下の場合はどんなに安くても7.7円ですよ、ってこと)

 このソースをもとにRISMOとiTunes著作権使用料を比べてみると・・・

 LISMO 420×0.077=32.34円
 iTunes 175×0.077=13.48円(175円ていうのは、単純にiTunesの150円と200円の2パターンの平均)

 という結果に・・・って、この時点で、LISMOの方が倍以上著作権使用料が発生していることになるな。
 (つーか、ふと思ったんだけど、この7.7%ってただのゲン担ぎじゃね?まあ、根拠は一応あるんだろうけど・・・)

JASRACに支払われる手数料

 これは、JASRACのHP上ではソースが見つからなかったので、作曲家の友人に電話して印税収入の明細を調べてもらった。で、そこに書かれていた「インタラクティブ配信」の 「JASRAC手数料」ってのを参照した。(つーことで、ここが一番間違ってる可能性が高い)
 で、JASRACの取り分は「11%」とのこと。(CDが確か6%)
 つーことでこんな感じ。

 LISMO 32.34×0.11=3.56円
 iTunes 13.48×0.11=1.48円

 ・・・余談だけど、音楽出版社ごとに発行される明細の内容は違うらしい。さらに作家の所属事務所によってもそこから作家に提示される明細は違うとのこと。彼の所属事務所では作家に渡る明細に対してはなにも手を加えていないんだけど、別の事務所では明細どころか振込金額しか提示されないところもあるらしい。

作曲家と作詞家に支払われる印税

 で、音楽出版社またはレーベルと作曲家と作詞家に支払われる金額は、作家と音楽出版社またはレーベルとの契約内容で異なるんだけど、今回は25%+25%+50%で計算してみる。(大物の作家になるとコレが33%+33%+33%となるらしい、ちなみに私の友人は25%でそれが普通)

 LISMO 音楽出版社またはレーベル:32.34−3.56×0.50=14.39円
     作曲家・作詞家それぞれ:32.34−3.56×0.25=7.20円
 iTunes 音楽出版社またはレーベル:13.48−1.48×0.50=6円
     作曲家・作詞家それぞれ:13.48−1.48×0.25=3円

 まあ、こんなもんか・・・。

まとめ

 つーことで、私が調べた結果によると(原盤権料なんかについては良く分からんかったのでおいといたとして)これだけ観ると約2倍強LISMOが高い。(記事でKDDIの人は「音楽の価値が4分の1」と言っているが、「セント」と「円」比べてる時点でそもそも間違ってるしwww*1今気がついたわ)この差をどう観るか、っていうのは人それぞれだろうけどね。
 で、ひとつ、ここで注意すべきなのが、著作者に支払われる印税は、一曲いくらだろうが最終的にはそれぞれのサービスの売り上げによって違ってくるよ、ってことか(そこまでは私自身調べきれなかったので、他の方に期待しとく)。
 あと、単純に配信する側の一曲あたりの利益も情報料に比例することになるから・・・つまり、LISMOは音楽の価値を4倍(円とセントの違いは置いといて)と評価しているとも言えないことはないんだけど、単純に計算すると一曲あたりの自社の利益をiTunesに比べて4倍(しつこいようだが円とセントの違いは置いといて)得ようとしている、とも言えるわけで(まあその辺は経費の関係もあるんだろうけど)皆さん(私も含めて)のツッコミはある程度的を射ていたってことだな。
 (なんか、結局はただの揚げ足とりになっちゃったな)
 最後に・・・それでも売れてる、ってのは確かにすごいっつーか、音質のこととか考えると私のような人間にとっては悲しいっつーか。ただ売れてる以上は、ある面、良いサービスではあるんだろうな、と。


 話は変わるけど、仮に音楽配信でミリオンを達成すると、(大分大雑把だけど)作家には300万から720万くらいの印税が入る、ってことか?これに他の印税も加わるわけだから、まあ、それなりの収入にはなるな・・・ただし「ミリオン」達成すればだけどね(涙)
 

追記

 なんか、Slashdot Japanにリンク貼ってくれた方がいたみたいで、そこからのアクセスがすごいことになったんですが、とりあえず皆さんアクセスありがとうございます。はてブコメントやそこでのコメントに簡単な返答だけしときます。


 @mohno『着メロ時代は著作権者(JASRAC著作権料)だけだったのが、着うたになって隣接権者(レコード会社)も利益になる構図があって力を入れているのだから原盤権料はおいておけないのでは?』
 今回は、作家に入る印税が知りたかったので、原盤権料はあまり気にしてなかったのですが、確かにおっしゃる通りでもありますね。原盤権料だと音楽出版社もしくはレーベル各社と配信業者との契約になるのかな、と思ったので諦めた次第です。そのうち調べられたら調べたいところです。


 @gnt『まあ「理論的には」そうなんですがね。RIAJの発表なんかと付き合わせてみるといろいろ???ってなりますよね。』
 そうですね。その辺の解りにくさは何とかならないもんですかね・・・私はここまでが限界でした。あと、著作権料に関してはRIAJはノータッチなんでは無かったでしたっけ?例えば、作家事務所に所属している純粋な商業作家だと・・・「著作権料→JASRAC音楽出版社→作家事務所→作家」っていう流れで印税が作家に入るらしいんですが、JASRAC手数料以外に引かれるお金って、作家事務所とのマネジメント契約かなんかの料金くらいだったと・・・。まあ、それも原盤権料まで含めて考えたほうが良かったよ、ってことですかね。その辺も再度勉強してみます。 


 @Slashdot Japanコメント『・・・4倍の単価で権利料も2倍強なら、インフラの(技術的|シェア的)特殊性も考えれば役員発言もそんな騒がれてるほど非難されるほどのものではないと思う。ただ、それは技術者視点で携帯がらみはめんどくせえの知ってるから言える事であって・・・』
 やっぱ、携帯がらみだとそうなるんですかね・・・。heatwave_p2pさんのコメントでも「米国の着うたフルに対応するRingtonesは2ドル半ばから3ドル半ばくらい」ってありましたし・・・。多分皆さんがツッコンでるのは4倍云々よりかは、そこに見え隠れする「何か」なのでしょうけど。


 @Slashdot Japanコメント『計算がJASRAC委託分だけしか計算されてないんじゃ?』
 そういうことでおk。

*1:コメントいただきまして脚注:iTunesの日本での情報料は150・200円なので、99セントと比べるのではなく、そっちと比べないとダメなんじゃね?ってことで。

もうさ、音楽で食っていくってのは考えない方がいいんじゃないか?って思うんだ。

 だってさ・・・もうさ・・・って話。


 私も音楽で食っていくことを目標にしてた時期があったけど、いざ就職だ、ってなったときに色々考えた挙げ句音楽の道に進むのはやめた。今思うとそれは私自身が「食っていく」ということを音楽に求めていて、当初持っていた「楽しみたい」っていう気持ちが薄れていることに何となく気付いたからだろうと思う。そんで、専門の卒業前に音楽業界に固執していた私が今や全く関係のない仕事に就いて、そういうことに全く固執せずにただ音楽を楽しもうとしていた友人が業界で仕事してたりする。
 なんて言うのかな、音楽業界は食っていけない、なんて言うつもりは無いんだけど、食っていこうとするのは違うんじゃないか?ってことか?少しまとめてみる。

こき使われる夢みる人たち

 夢を持って業界に入って来た人間を、その業界で働くことがその人の「夢」であることを良いことに、こき使う、っていうのは良く聞く話。
 使われる側は言うに及ばず、そんで使う側も「コレも全部修行のうちだ」って思ってたりしてて、多分本人達は「こき使う&使われてる」っていう自覚があんま無かったり、そうせざる負えなかったりするんだろうけど、その仕事の中には時給換算して何十円とかいうのがざらだし、下手するとタダ働きなんてことも珍しくない。で、それに気付いて、かつ自らの夢の本質を知っている人はそこから離れたり、逆に利用して会社にとって必要な人材になるころには好きなことをするために離れる・・・っていうのは聞いたことがある。ただ、ここで難しいのが、その人が音楽人として成長するにはどうしてもその過程が必要なんだ、ってことも確かな気も。だから、自分みたいに音楽で食っていこう、と思っていると多分挫折する。将来的にどうするかは抜きにして、それを超えられるほどに本質的に音楽を楽しもう、っていうのが無いとダメなんだろうなーと。ちなみに、ここでは作家とかエンジニアとかをイメージして書いてる。

音楽業界を離れる人たち

 私の知り合いで、作家として成功する前にフリーの作家になって好き勝手やってる人間が一人居るんだけど、彼なんかは曲を作るところからCDにするところまでを、高いクオリティで全部やっちゃう力を持っていて、今じゃオリジナルCDで稼いだりしてる。そんな彼はこう言ってた・・・。
「もうこのまま行ってもダメなのに、それに対してなんの手も打とうとしない。来る仕事は割に合わないものばかりだし、かといってそれを頑張ろうって思えるほど未来に希望も持てない。」
と。まあ、彼のように一人でやっていける力があれば良いんだけど・・・。そういう人間はあんまいないんだよね。

自らの夢を犠牲にして、夢を売る人たち

 私が思うに、作家だとかエンジニアだとかって言う現場の人たちっていうのは、本当に音楽を楽しみたいんだろうなって思う。でも、その上の会社の経営をしている人たちは「会社を経営」している以上、どうしたって食っていくことを目的にしないと職務を全う出来ない。で、立場の都合上どうしても「食っていくための現実」を現場に押し付けることになってしまうわけで、例えば、作曲家がある歌手に曲を提供することになったとして、その作曲家は作詞家とも歌い手とも一度も会うことなく、そのままCDとして発売される、っていうことは実際にあって。それって私が思うに、会社が現場の人たちの夢を強引にかき集めて売ってるだけなんじゃないか?とも思うわけ。その現実っていうのは、多分経費なんかの問題なんだろうけど、私なんかは「そんなんで本当に良い音楽は生まれるの?」とか思ってしまって。でも、会社としてもそれは仕方ないんじゃないかね?社員に給料を払わないといけないわけだし、結果そうじゃないほうが音楽が売れるようになる、って言ってみても、それが出来たら誰も苦労しないんだし、そもそも、それをしようとする勇気なんて誰も持てないだろうし。
 だから、そういう「食っていくための現実」を突きつけられた現場の人たちは、自らの夢を犠牲にしてるんじゃないか、って。だって、そういう人達の夢にある音楽の制作過程って言うのは、多分今現実で行われてることとは大分違うんだろうな、って思うし、少なくとも私が理想としているものとは違う。でもそれは先に書いたような経費や納期の問題だったり、上とのコミュニケーションの問題だったりするんだろうから、音楽で食う以上は仕方ないとも言える。現場側がある程度大物になってしまえば良いんだろうけどね。

矛盾だらけだよな

 ここまで読んでみて気付いた人もいるだろうけど、私がここで書いてることって正直矛盾だらけなんだよ。つーことは、現状のままいく以上は常に矛盾だらけで。そんで、表題の「音楽で食っていくってのは考えない方がいいんじゃないか?」ってことに繋がるんだけど、そうするしかこの矛盾だらけのところから脱出することは不可能なんじゃないか、って思うわけ。すなわち、極論だけど音楽業界はそもそも必要無いんじゃないか?ってこと(本当に極論ね)。考えてみれば、そもそも著作権だって「食っていくこと」を目的にして制度が出来てるから、色々叩かれるんだろうし。
 なんか私自身「音楽そのもので食っていく」っていう前提を最近になってやっと捨てることが出来たみたいなんだけど、そしたらすげぇ音楽が楽しくなったわけ・・・そんでこんなことを書きたくなった。
 で、最後まで読んでもらっておいて申し訳ないんだけど、ここで書いてることって私が業界の友人から聞いた話をもとに考えていることだから、本当はもっと違うのかも知れん。

新たな矛盾

 ・・・今気付いたんだけど、こんなこと考えると「じゃあ、アーティストはそもそも食っちゃいけないの?」ってなるんだよな。忘れてたわ・・・また新たな矛盾が・・・もう私には無理だなorz現時点でこの矛盾の連鎖を解決すんのは・・・。ここで「配信サイトで誰でも音楽を売れるようになれば良い」って言ってみたところで、それで「食えるようになる」なんて、今あるサービスを眺めてみても自信もって言えんしな。つーか、ここにきて事実上多くの人を食わせてる音楽業界のスゴさを認識することになろうとは・・・今日はギブで。

いや、別にどうでも良いんじゃね?ニコニコ動画なんてどうせ楽しいし。

 なんか、ニコニコのアクセス数が激減らしい。まあ、私の場合は元々(アクセス激減の原因と言われている)MADはあまり観てなかったし、どうせ楽しいのには変わりないから別に良いんだけどね。

 「ニコニコ動画」のアクセス激減 その原因は…?-痛いニュース(ノ∀`)
 最近、人気動画共有サイトニコニコ動画』のアクセスが激減しているといわれている。実際にプレミアム会員の退会者や「最近ニコニコ動画あまりみないんだよね」という人の声を聞くこともが増えている。昨年の夏にリリースされた初音ミク以降、爆発的なアクセス数を記録し会員数も急増いていたサイトなのだが……。ニワンゴに近い関係者に話を聞いてみると……。

 つーことで、この機会に私が感じているニコニコの楽しさっていうのを考えてみた。

ニコニコの楽しさって?

 で、なんだかんだ言って、やっぱその楽しさの源はコメント機能になるわな。コメントそのものの面白さも当然あるし、コメントがあるからこそみんな才能の無駄遣いをするんだろうし。まあ、MADがその最たるものだったんだろうけど、別に良いんじゃね?そのうち権利関係片付くの期待しとけば。
 

クリエイターから観たニコニコの楽しさ

 つーか、書くつもりも無かったんだけど、実はおとといある人と飯を食った。彼はニコニコでそれこそ才能の無駄遣いをしていて、自身のタグが出来たりするくらいに活躍中の人なんだけど、そんな彼のやってることをニコニコ上で観て思ったのは、本当に楽しそうだな、ってこと。マジメにやってみたり、ネタをやってみたり、自分の才能を遺憾なく?発揮して好き勝手やっていて、その楽しみようには正直嫉妬した。で、彼の動画には「なんだプロか」ってコメントされることもあるんだけど、実際プロだったりして、ニコニコのほうが楽しくて本業そっちのけでやってるみたいだった。つまり、彼のようなクリエイターにとっても、それだけニコニコっていう場は発表の場として魅力的ってこと。だから、当然観る側にとっての楽しさもあるんだけど、彼のようなプロが投稿したくなるくらいに「楽しい発表の場」っていうのは、実はすげぇ価値を持ってるよな。

ニコニコのキラーコンテンツ

 つーことで、私が思うニコニコのキラーコンテンツって、MADでもなんでも無く、つまりはコメント機能になるわけ。ということは、別にアクセスが激減したからって魅力が無くなるわけじゃないし、それ自体が解説したい人向けのオプションであって、私のようなユーザーから言わせてもらうとどうでも良いことなんじゃないか、って思う。ただ、このまま赤字が続いてサービス停止とかっていったら涙目なんだけど・・・その辺は夏野さんが来て、ビジネス的な観点から観ても楽しみがさらに増えたし、それ自体も実はキラーコンテンツの一つだったりして。

実を言うと私はアンチだった

 そんな私は実を言うとニコニコみたいな文化が嫌いだった。多分当時ニコニコがあっても、嫌悪はすれど絶対にプレミアム会員になんかならなかったと思う。それはニコニコがスタートしてからもしばらくは変わらなかったんだけど、まあ見事にハマった。私は別にアニメが好きだったりするわけでも無く(今でもみんな盛り上がってるのを観て何が面白いのか分からないことは良くある)、ニコ厨になるきっかけは単純に当時プレイしていたゲームの実況動画が観たかっただけだった。でも、そうこうしているうちに弾幕とかに遭遇したりして、本人も知らないうちにハマっていった。当時の私を思い起こしてみると、くその役にも立たないようなプライドがニコニコみたいな文化を拒絶していたんだなって思う。多分専門学校で音楽をやって来て、著作権のことや音楽の本当の価値とは何か?っていうようなことをマジメに考え続けて来て頭が固くなってたんだな。だから本当に大切なはずの「何か」に気付いていたのかどうかは知らんけど、実際に体験することも無く「何あれ?ウゼーよな」とか思ってた。でも、そういうくだらないものを全部捨てて体験してみたら観えてくるものがあって、それは「どう観ても幸せなのはこいつらのほうかもな」ってことだった。それに気付いてからは友人とかに「お前本当ニコニコ好きだな」なんて言われても、普通に「好きだよ」って言えるようになった。

ニコニコがやろうとしてることってマジメに考えてもすげぇと思う

 あと、何が楽しいか?っていうことを抜きにして考えてみても、ニコニコはすげぇことをやろうとしてる気がする。ただ、表面的には色々ネタ的にやってるように観えるだけで、例えば前にあったニコニコ宣言にしても、実はものすごくまともなことを言ってる。私の場合は、ニコニコなんて眼中に無かったころ、すげぇ考えていた「こうなったら良いなぁ」っていう、音楽やらアートやらの未来像みたいのがあった。で、その後ニコニコ宣言がされて、それを眺めてみたら、私自身考えていたものの言葉や企画に具現化出来ていなかった未来像そのものだったりして・・・それはもう、ニコニコ宣言やひろゆき氏のインタビューなんかを読んでみても「それだよそれwww」って感じだった。だから、余計応援したくなるし、自身の企画にもニコニコを絡めたいと思ったりするし、単純に悔しかったりもする。

まとめ

 つーことで、私みたいな「楽しければ良い」っていう人間は世間で問題視されていることなんかを丸ごとスルーできるたちだから、コレからもなんの引っかかりも無くニコ厨で居続けるんだろうな、と。


 なんか、書き始めたらめちゃくちゃニコニコ寄りのエントリーになっちゃったけど・・・まあ、いいか。